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第6回国際仏教観光会議に出席しました

 2018年8月23日~26日にかけて、インド・ニューデリーおよび、仏教遺跡等において、第6回国際仏教観光会議(Report on The International Buddhist Conclave 2018)が開催され、要請を受けて印度山日本寺の加藤・島野両駐在僧が出席しました。

 同会議は、インド政府観光省が主催したもので、各国仏教関係者による意見交換を行いつつ、インド国内の仏教遺跡を活用した観光振興、観光関連投資促進を図ることが目的です。
今回、日本政府は開催趣旨に賛同し、唯一のパートナー国として参加しました。そのため、在インド日本大使館がインド政府から日本人僧侶の出席要請を受けたことで、日本寺からの協力を依頼しました。
インドの仏教遺跡を活用した観光振興・投資促進を目的としてはいますが、実際に集まった各国の観光業者および僧侶は、真摯に「インドをはじめ世界の仏教のあるべき姿」に思いを馳せ実りある議論を広げました。
 初日の仏教学者及び各国僧侶によるパネルディスカッションにおいて、印度山日本寺は、2017年9月~2018年8月の間の参拝者の反応から受ける印象を発表しました。団体参拝はもちろんのこと、昨今の個人旅行者は、ただ仏教遺跡を観光地としてその場に足を運ぶだけではなく、ブッダガヤという仏教聖地での宗教的な精神体験を求めている傾向が見受けられます。場合によっては滞在期間を延長し、真剣に朝・夕の勤行に足を運び、自らの心と向き合い、仏教のみならず世界の宗教について考え、我々駐在僧と議論をしていきます。
そして、これこそが、インドにおいても世界においても、宗教者が携わるべき事柄のひとつであると、出席者より賛同を得ることができました。

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平松駐インド大使による挨拶会議の模様

 翌24日からは、アジャンタ石窟(マハーラーシュトラ州)、サールナート(ウッタル・プラデーシュ州)、ブッダガヤ、ラージギル、ナーランダ(ビハール州)の仏教遺跡視察に赴きました。インドの大地は広大なため、移動に多くの時間が割かれますが、今回はインド政府軍・警察の最大の協力を得、渋滞に巻き込まれることもなく、インドにおいては異例なほどスケジュール通りに運びました。
インド政府観光省は“The Land of Buddha”と銘打って活動を開始しており、より良い巡礼ルートの構築を目指しているとのことで、今回の道程はそのひとつのサンプルだそうです。現在、経済・インフラ発展の途上にあるインドにおいては、種々乗り越えねばならない問題は見受けられるものの、平和の祈りを目的としたルートの構築が可能なのではないか……と思えるものでした。

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アジャンタ石窟寺院の視察ブッダガヤ マハーボディー寺院にて

 今回、駐在僧という身でありながら、国際会議に出席させて頂けたことは、我々駐在僧にとって大きな意味をもたらすものとなりました。心から感謝をしております。また全日程終了後、駐インド特命全権大使の平松大使より、大変光栄なことに大使館へお招きを戴きました。その場において、仏教を中心に据えた旅行者への今後のアピール方法についてや、長年インドで努めてきた日本寺の活動について質問をされ、面会に同席された大使館の方々は大変興味を持たれておりました。
最後に、今回多大なお力添えを戴いた平松大使、在インド日本大使館の皆様、インド政府観光省の皆様に深く御礼を申し上げます。
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在インド日本大使館にて平松大使はじめ大使館の方々と

文責 加藤・島野