インドのブッダガヤで印度山日本寺(Nipponji Temple)、菩提樹学園、光明施療院を運営する公益財団法人です。

カテゴリー: 菩提樹学園

  • 姉妹兄弟の絆を深める ラクシャバンダン

    【日本寺駐在僧便り】2026年8月31日

    ラクシャバンダンは、姉妹・兄弟の絆を深めるヒンドゥー教の祭事で、毎年インド暦・スラバナ月(太陽暦の7月~8月)の満月の日がラクシャバンダンにあたります。今年のラクシャ・バンダンは8月28日でした。印度山日本寺の菩提樹学園では、それに先立ち、8月27日にお祝いを行いました。

    まずは、園児たちが楽しみにしていた給食の時間です。この日は、インドのお祝い事ではお馴染みの「グラブ・ジャムン(gulab jamun)」と「ラスグッラ(rasgulla)」のほか、インドの天ぷらともいわれる「パコラ」が振る舞われました。園児たちは、いつものように大きな声で「いただきます」と挨拶をし、夢中になって食べていました。

    給食の後、園児たちは廊下に集まり、ラクシャ・バンダンのお祝いの会が始まりました。はじめに、主任のソバー先生からお話がありました。
    ラクシャ・バンダンは、兄と妹、弟と姉など、兄弟姉妹の間でお祝いする行事です。お互いを守ることを約束する大切な日であり、お祝いをするからには、その約束を忘れず、互いに守り合うことが大切であると園児たちに伝えられました。

    お祝いの中では、女の子が男の子の手首に「ラーキー」と呼ばれる紐を結び、男の子から女の子へ首飾りが贈られました。そして、「これからも喧嘩をせず、互いに助け合います」と約束する姿を見ることができました。
    初めは、互いに贈り物を渡すことを少し恥ずかしがっている様子でしたが、会が終わると、兄弟姉妹や友達同士で贈り物を楽しそうに見せ合っていました。その姿は、たいへん微笑ましいものでした。

    ラクシャ・バンダンには、姉妹が兄弟の手首にラーキーを結び、その健康や幸福を祈り、兄弟が姉妹を守ることを約束して贈り物をするという伝統があります。一方、現在では、家族だけでなく親戚や友人の間でも行われ、互いを大切に思い、支え合う絆を確かめる日としても親しまれているそうです。

    私たち大人でさえ、時には意見が食い違い、喧嘩をしてしまうことがあります。園児たちも、これからの生活の中で、友達や兄弟姉妹と喧嘩をしてしまうことがあるかもしれません。そんなときには、この日に交わした約束を思い出し、自らの行いを振り返って、しっかりと仲直りのできる人に育ってほしいと思いました。
    私自身も、園児たちが互いに約束を交わす姿を見ながら、周囲の人を思いやり、互いに助け合うことの大切さを、改めて感じた一日となりました。
    日本寺駐在僧 中野蓮音

  • インド独立80周年をお祝い

    インド独立80周年をお祝い

    【日本寺駐在僧便り】2026年8月18日

     8月15日は、インドの独立記念日です。この日、私は駐在僧として、次の式典に参加させていただきました。

    ・印度山日本寺スタッフ国旗掲揚式典
    ・菩提樹学園独立記念式典
    ・大塔管理委員会(BTMC)インド独立記念日国旗掲揚式典

    現在、インドは雨季を迎えておりますが、当日は天候にも恵まれ、多くの方々と共にインドの独立をお祝いすることができました。

    菩提樹学園での式典では、主任のソバー先生から、独立以前のインドの厳しい暮らしや、自由を得るまでに多くの尊い命が失われた歴史についてお話がありました。そして、今日、自由の中で教育を受けられることに感謝するとともに、独立記念日を単にお祝いするだけではなく、犠牲になった方々を思い起こす一日として過ごすことの大切さが伝えられました。

    国旗掲揚・国歌斉唱後、最後には、インドへの敬意と愛国心を表す「バーラト・マータ・キー・ジャイ(母なるインドに勝利あれ)」という掛け声が上げられ、式典は締めくくられました。式典の後には、地域のロータリークラブの方々から、園児たちに筆記用具やお菓子が配られました。また、独立記念日のお祝いとしても親しまれている、インドの伝統菓子「ジレビー」が振る舞われました。

    BTMCでの式典では、各国の僧侶の方々と共に、これからの平和を祈りながら式典に参加することができました。国や宗派を越えて多くの僧侶が集い、インドの独立を祝う光景は、ブッダガヤならではのものであると感じました。

    また、8月15日は、日本では「終戦の日」として、戦争で亡くなられた方々を追悼し、平和を祈る日でもあります。インドに身を置きながら、日本のことにも思いを寄せて一日を過ごしました。

    私一人にできることは決して多くありません。しかし、ソバー先生がお話しされていたように、戦争や独立のために犠牲になった方々のことを忘れず、今、自分が命をいただき、仏教の聖地ブッダガヤで駐在僧として勤めさせていただいていることへの感謝を大切にしたいと思います。過去の多くの方々の歩みと犠牲の上に、現在の平和な暮らしがあることを心に留め、これからも日々の務めに励んでまいりたいと感じた一日でした。
    日本寺駐在僧 中野蓮音

  • 菩提樹学園2学期のはじまり

    2026年7月8日

    菩提樹学園では、最も気温が暑くなる5月末から1ヶ月が夏休みとなります。今年は5月22日~6月22日が夏休みでしたが、夏休み期間中も園たちが学習内容を忘れないため宿題が出されます。6月23日、2学期の始業式には園児達は皆元気な姿で菩提樹学園に戻ってきました。

    夏休みが終わりまた勉強のはじまりです。工作の時間では7月のカレンダーを作成しました。登園した日付けにシールを貼ることで、日付と日の特定を学んでいます。今月のテーマは野菜。ナスやキュウリ、ニンジンなどを描きオリジナルカレンダーが完成しました。

  • 学びの始まり、菩提樹学園入園式

    2026年4月6日菩提樹学園では、2026年4月1日、昨年度週一回の入園準備クラスに通っていた園児40名の入園式が行われました。小学校の入学テストに向けて、2年間ヒンディー語、英語や算数など菩提樹学園での本格的な学びが始まります。また、菩提樹学園では折り紙、工作や絵画を通して子どもたちの創造力の育成にも力を入れています。


    【日本寺駐在僧便り】
    2026年4月1日、菩提樹学園の入園式が行われ、今年度も新たな園児たちが入園しました。朝早くから境内には、多くの保護者の方々が園児たちの入園式を待っておられました。園児たちは各担任の先生の指導を受けながら、新しい制服に着替え、入園式に向けて少し緊張している様子でした。

     式は、ののさまへの献灯・献花・献香から始まり、主任のソバー先生、担任の先生からの挨拶、そして各先生の自己紹介が行われました。

    ソバー先生の挨拶では、インドにおける教育の大切さ、そして何よりも休まず学校に通うことの重要性が、園児と保護者に伝えられました。いまだ十分に教育を受けることができない子どもたちが多くいるインドにおいて、菩提樹学園に入園する子どもたちは恵まれた環境にあるのだと感じます。だからこそ、教育を受けられる機会を大切にし、一日一日の園での生活を大切にすることが重要なのだと思います。
    日本寺の境内では、大きな菩提樹の木が古い葉から新しい葉へと生え変わる時期を迎え、これからさらに多くの葉をつけていきます。
    今回新たに入園した園児たちは、菩提樹学園で多くのことを学んでいきます。健やかに大きく成長していく姿を、駐在僧として見守っていきたいと思います。
    日本寺駐在僧 中野蓮音

  • 卒園式 年長児の門出を祝して

    2026年3月23日

    2026年3月20日、菩提樹学園第46期生の卒園式と修了式が日本寺講堂で行われました。
    園児たちは、入園準備クラスを含み、菩提樹学園での3年間の学びを終え、小学校へ進学します。
    皆さまからのご支援のもと、今年も無事に卒園を迎えることができましたことに心より御礼申し上げます。

    年長組にとって最後の給食となる卒園式の前日は、特別メニューが提供されます。この日は、みんなが大好きなキール(お米を牛乳で煮た甘い粥)、プリー(揚げパン)とジャガイモのカレーでした。普段と違ったメニューを嬉しそうに食べている姿が見られました。


    【日本寺駐在僧便り】
    日本では春分の日にあたる2026年3月20日、クラブ組・チャンパ組あわせて39名の園児が卒園を迎え、当日はその門出を祝うかのような晴天にも恵まれ、多くの卒業生のご家族にもご参列を賜りました。

    式の初めには、代表の園児が、いつも見守ってくださるののさま(お釈迦様)へ、お花とお水、お線香をお供えしました。式の途中では、お釈迦さまからそのお弟子へと教えの燈が受け継がれるかのように、卒園生から在園生へろうそくの灯が手渡される場面がありました。菩提樹学園が設立されてから約50年、多くの方々の願いや思いが受け継がれてきたことを感じました。

    その後、担任の先生、そして学園長のソバー先生よりご挨拶があり、最後に駐在僧として、園児たち一人ひとりにスクールバッグと卒業証書を授与させていただきました。受け取った卒園生たちは、とても立派に「ダンニャワード」とお礼の言葉を言ってくれました。

    また、今年度無欠席だだった年少組17名、年長組13名の園児には皆勤賞として、洋服が贈呈されました。

    今後、卒園生たちはそれぞれ別の学校へ進学していくとのことです。日本と同じように、自宅から毎日通学する子どもたちもいますが、通学の困難や経済的な事情によっては、小学校から寮のような施設で生活しながら学ぶ子どもたちもいるそうです。

    また、日本寺スタッフの子どもたちも、今回卒園を迎えておりました。スタッフの中には菩提樹学園の卒業生も多く、学園で教育を受けた子どもたちが親の世代となり、今度は自らの子どもに教育を受けさせていく、そのつながりの大切さを感じました。菩提樹学園は、地域の福祉事業として、その大切な一端を担っているのだと思います。

    子どもたちは本当に国の宝であることを、改めて感じることのできた卒園式でした。合掌

    駐在僧 中野蓮音