【日本寺駐在僧便り】
2026年1月7日
2025年12月31日、日本寺で恒例の除夜の鐘撞きがありました。本年はコロナ禍以降初めて一般の参拝の方々をお迎えしての鐘撞きとなりました。
以前はお参りに来られた方に先着順でのうどんの振る舞いや大かがり火が行われていましたが保安上の理由で本年は中止となり、かわりに新しい試みとして境内に手作りの灯籠を設置いたしました。
灯籠は燃えにくいクッキングシートと素焼きの器に入った蝋燭を使い、数日前より日本寺スタッフ全員で120個ほど作りました。糊やテープなどを使わない方法は最初、みな難しそうな顔をしていましたが、流石すぐに習得し20名弱であっという間に作り上げてしまいました。
また除夜の鐘に向けて、長年のお勤めでかなり痛んでいた撞木(鐘を撞く為の丸太)の修理も行いました。いつも日本寺のいろいろな修繕をして下さっている地元の大工さんの手により新たな撞木が用意されました。かなり重たい丸太で設置の際はスタッフ総動員で担いでの作業でした。ちょうどいつも鐘の鳴る正午に工事が完了したので、スタッフや大工さんそれぞれ1回ずつ12回の試し撞きで音の確認をし、みな新しい音に満足な様子でした。古い撞木はこの後解体され菩提樹学園の給食の煮炊きに使われお役目を終えます。




スタッフによる柵で鐘楼までの導線づくり
当日は夜10時に日本寺の若手のスタッフがお寺に集合し、皆で夜食に調理スタッフによる麺から手作りの年越しうどんを食べた後準備に取りかかりました。インドとはいえブッダガヤはこの時期は冷え込み、当日は気温が10度を下回っている中での準備でした。
11時半、設置した灯籠がポツポツとつき始める中、まずは駐在僧が四句誓願文を三遍唱えてから最初の鐘が撞かれ、その後本堂では金剛般若経の読経が開始されました。
普段から日本寺によくお参り下さるブッダガヤに長滞在されている海外の方、日本を始めシンガポールや欧米からの旅行者の方、そして近隣の村の方々が入れ替わり立ち替わり400名ほどがお参りに来られました。鐘を撞いたり本堂前でお参りをしたり談笑したりとみな思い思いに年が明ける瞬間までを過ごし、いざ年が変わるとヒンディー語、英語、日本語などいろいろな言語で新年のお祝いの言葉をかけあっていました。


お寺の周りでは打ち上げられる花火や大音量でかかるインドの音楽によって賑やかな様子で、日本寺の灯籠の仄明かりかりの中梵鐘が響き渡る落ち着いた雰囲気は対照的でしたが、緩やかな境界の中でそれぞれが同時に存在できるインドの懐の深さを感じました。
翌日は朝9時より修正会が執り行われました。修正会とはお正月に行われる行事で、前年の振り返りをし、その年の誓いを立て、お祈りをします。本年はその意義に則り布薩(仏教の長い歴史の中で部派をこえて行われている、自己の行いを振り返り生きる上での良き習慣である仏教の戒を再確認する儀式)を修し、攘災招福のお経をお唱えいたしました。布薩にはよく日々のお勤めに来られるインドの方が参加して下さり、一緒に礼拝、戒の条文を読み上げお祈りをして下さいました。
除夜の鐘の始まりにお唱えしたお経、四句誓願文の一節に「煩悩無尽誓願断」とあります。我々の煩悩は尽きることはないかもしれませんが、それらが一つでも断たれ、みなが心安らかに新しい年を過ごせるよう御祈念して除夜の鐘、修正会を執り行わせていただきました。
合掌
杉原遥平(遥円)
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